新年のご挨拶 病院長 杉本昌宏 

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わかば通信

新年のご挨拶 病院長 杉本昌宏

新年明けましておめでとうございます。年頭にあたりご挨拶申し上げます。

昨年の2012年は神経難病を専門に診ている医療者にとって、嬉しい話題のあった年でありました。
先ず筋委縮性側索硬化症の進行予防に有効とされる、新しい蛋白質が発見されました。更には倫理的な問題や技術的な問題から頓挫するかと思われた細胞移植において、それらの問題を解消しうる“iPS細胞”を用いた技術が躍進した事です。またアルツハイマー型認知症においても、進行予防薬が1種類から4種類に増えました。このような医科学の発達は、暗いニュースが多かった昨今ではさらに輝いて感じられました。

北斗わかば病院にとって昨年は、熟成の年でありました。人材育成に力を入れ、職員の知識・技術の向上を心掛けて参りました。院内教育委員会や職員向けの講義など、今迄以上に多く開催されました。また院外の研究会や講演会にも多くの職員が参加し、新しい知識やアイデアを積極的に取り入れるように致しました。そしてリーダーとなる職員や次世代を担う職員の配置等、層の厚いシステム作りを進めて参りました。

地域との連携を強化する為に、近隣の病院や診療所の先生方と話し合う機会を設ける事も出来ました。当北斗わかば病院も開院から7年が経ち、最早若い病院ではないという意識を持って、1年を過ごして参りました。

2013年を迎え、充実した入院治療、慢性疾患を持たれた患者様の在宅生活の支援、地域の皆様の健康管理、これを継続且つ熟成させていく為に、私をはじめ全職員が一丸となって精進する事は変わりありません。病院職員は、自分が成長する事が病院を良くする為に最も重要な事であると、常に認識を持って、知識や技術の習得に励む必要があります。

また以前から言われている“QOL(qualityoflife)の向上”を意識した医療を見直したいと思っております。この“QOL”という言葉は“生活の質”と訳されている事が多いのですが、私にはこの訳は違和感があります。生活の質というと、経済的・物質的・時間的な豊かさを示唆してしまうように感じられますが、本来は“人生の質”もしくは、“生の質”と訳されるのが良いように思います。
すぐには解決できない問題ではありますが、まず一つの目標として“選択肢を増やせられるようにする事”を意識したいと思います。
当院に入院されている患者様の多くは、運動障害や高次脳機能障害により、多くの選択肢を失っておられます。そういった患者様にとって、日々の生活から色々な場面での選択肢を増やせるように意識していくようにしたいと思います。

色々と足らぬ点がございましたら、遠慮なく申して頂き、皆様の手をお借りしてより良い病院になれますようご協力をお願い致します。
以上を持ちまして、年頭のご挨拶とさせて頂きます。



  • POSTED at 2013年01月14日 (月)