整形外科医師 石原 智覚 
みなさん体を動かしていますか?
昔から体を動かすと健康にいいといわれていますが、なぜ 運動が健康にいいのでしょう?
運動しないと太るから体に良くない とか、運動しないと体がなまるから などと漠然と捉えている方も 多いと思います。
近年その仕組みがだんだんわかってきましたので、少しお話をしたいと思います。
筋肉とは筋繊維が束になった組織です。
筋繊維が収縮することにより体を動かしたり姿勢を保ったりします。
現在までに、その筋肉から650種類以上のマイオカイン(細胞間の情報を担うタンパク質)が分泌されていることがわかっています。
「 マイオカイン 」これが体にいいんです! いくつかご紹介しましょう。

イリシンとカテプシンBは脳の神経細胞を活性化し記憶や学習能力を向上させ、認知症の予防効果があります。
スパークは大腸に作用し、初期のがん細胞をアポトーシス(細胞死)に追い込むことが報告されています。
IL-6は脂肪分解と脂肪の燃焼を促進します。
また、食欲も抑制するため肥満の予防につながったり、インスリン分泌を増加させ糖尿病を予防します。
IL-6とFSTL-1は抗炎症作用と血管機能の改善により動脈硬化を予防します。
CLCS-1は筋肉の増加と骨形成を促進します。
IL-15は皮膚の老化を遅らせます。
などなど効果は山ほどあります。
やっと涼しくなってきたなと思ったらもう冬。
外は寒くて体を動かすのが億劫になってはいませんか?
運動はなんでもいいんです。
きつい運動でも軽い運動でも分泌されるマイオカインの量はほとんど変わらないといわれています。
筋肉を収縮させればいいので、足踏みしたり、力こぶを作るだけでもいいんです。
そうすれば筋肉からマイオカインが分泌されます。
薬を飲むより簡単ですよ ♪ 
- POSTED at 2025年12月22日 (月)







